ファクタリングとは
ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権を業者へ売却・譲渡することによって売掛金を早期資金化することを指します。
ここでいう売掛債権は、企業間で商品やサービスの取引を行う際に将来的に売り手が買い手から代金を受け取る権利のことです。
近年では経済産業省が積極的に周知していて、多くの人々から注目を集めています。
従来は企業の資金調達方法のほとんどが銀行やノンバンクからの借入や手形割引でしたが、資金調達方法は多様化しています。
世界的な歴史はかなり古いもので、日本でも50年ほど前から存在していたのです。
しかし、日本は特殊な商習慣が根付いていたこともありなかなか定着しませんでした。
それが最近になってようやく注目を浴びるようになってきたというわけです。
比較的簡単に資金調達ができる
メリットとしては、まず何といっても比較的簡単に資金調達ができるということが挙げられます。
資金調達が必要になった時に、公的融資や銀行融資では審査に時間がかかってしまうので対応できないことが多いです。
また、経営状況が重視されて審査が慎重で厳しいことから、融資を申し込んでも拒否されてしまうケースも珍しくありません。
特に、資金調達が必要な理由を調査された場合には、事業成績や経営状態の悪化といったマイナスポイントがあれば融資は不可能となります。
その点、ファクタリングは融資ではありませんので、審査に通りやすくて担保も不要なのですぐに資金調達が行えるのです。
財務状態が改善する
次に、財務状態が改善するというメリットが挙げられます。
売掛金を売却することで必要な資金を調達する為、早急に資金が必要な場合や支払金の不足に対応できます。
銀行からお金を借りる場合には担保が必要となるケースもありますが、ファクタリングでは融資とは異なるので担保を用意する必要はありません。
さらに、貸借対照表のスリム化が実現可能というメリットもあります。
償還請求権なしの債権譲渡を行う会社を選ぶことで、売掛金が倒産等で回収できなくなった場合でもこちらの負担はなく貸借対照表でも負債にならないのです。
そのため、金融機関の信用が向上するというメリットも得られます。
リスクの移転効果も期待できる
そして、ファクタリングにはリスクの移転効果も期待できます。
売掛債権のリスクには、回収期間があることと貸し倒れになる可能性があることのリスクがあります。
しかし、ファクタリングを行った際には売掛債権を支払期日前に資金化でき、売掛債権の支払期日を待つのは自社ではなく相手側の会社になるので、回収期間によるリスクを解消できるというわけです。
このように、担保が不要であったり資金繰りがよくなるというメリットがあるので、今後は更なる注目を集めることが予想されます。